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工学部神谷大介准教授らの論文が土木学会「AI?データサイエンス論文賞」を受賞 目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう

 工学部社会基盤デザインコース神谷 大介 准教授らの論文が、2024年度土木学会「AI?データサイエンス論文賞」を受賞しました。
 この賞は、AI?データサイエンス論文集において、革新性?将来性?社会性に優れた論文に授与されるものです。
 当該論文は、法政大学、関西大学、大阪電気通信大学、大阪産業大学との共同研究の成果として土木学会AI?データサイエンス論文集第5巻3号に掲載された論文です。

<受賞者のコメント>
 全国各地で実施されている交通量調査において、近年では調査員不足等の課題が顕在化しています。動画像からナンバープレートのみによる技術も開発されてきていますが、明瞭に撮影されていない場合は計数することが困難でした。この課題に対し、車両形状の情報を加えることにより、高精度に計数できる技術を開発しました。また、この研究は土木計画学の研究者と情報学の研究者による数年にわたる異分野共同研究によるものであり、受賞は新規性?有用性が高く評価された結果だと考えられます。

<研究概要>
 我が国では、自動車交通量調査の省力化のために、AIを用いた調査が推進されている。既存研究では、AIを用いた車両の部位の識別により、車種別の断面交通量を計数できることが明らかにされているものの、フレアや景色の映り込みにより精度が低下する課題がある。対策としては、ナンバープレートの分類番号の認識結果から車種を判定する方法が考えられる。しかし、分類番号が不鮮明な場合、認識精度が低下する。そこで、本研究では、文字が鮮明な場合は分類番号を認識し、不鮮明な場合は車両の部位の識別結果を用いて車種を判定する手法を考案する。3つの地点で撮影した動画像に考案手法を適用した結果、車種の判定精度はすべての地点でF値が0.950以上と高精度であった。今後は、図柄入りのナンバープレートに対応することで、早期実用化を目指す。

掲載誌:AI?データサイエンス論文集
論文タイトル:車両の形状とナンバープレートの分類番号の認識結果を用いた車種判定手法に関する研究
著者:住吉 諒、今井 龍一、山本 雄平、中原 匡哉、神谷 大介、姜 文渊
DOI:https://doi.org/10.11532/jsceiii.5.3_418