保健学研究科 博士後期課程3年次 国際地域保健学分野の渋谷文子さんが、2024年度の日本国際保健医療学会奨励賞を受賞しました。受賞論文はMulti-country case study on school health policy and its implementation in relation to COVID-19 control in Micronesia Small Islands Developing States(ミクロネシアの小島嶼開発途上国におけるCOVID-19対策に関連した学校保健政策とその実施に関する多国間ケーススタディ)Tropical Medicine and Health 52, 27, 2024です。
https://tropmedhealth.biomedcentral.com/articles/10.1186/s41182-024-00590-8
<渋谷さんのコメント>
この度は、日本国際保健医療学会奨励賞を賜り、誠に光栄に存じます。これまでご指導いただきました指導教員の小林潤先生、太平洋島嶼国ミクロネシア地域の研究協力者の先生方、ならびに国際地域保健学教室の皆様に、深く感謝申し上げます。
博士研究では、新型コロナウイルス感染症対策のフェーズに応じた学校保健関連政策と、その実施に関わる要因を明らかにすることを目的とし、ミクロネシア連邦、マーシャル諸島共和国、パラオ共和国の3か国を対象に多国間比較ケーススタディを実施しました。3か国でのデータ収集は決して容易ではありませんでしたが、グアム大学看護学科をはじめ、ミクロネシア連邦短期大学、マーシャル短期大学、パラオ地域短期大学の看護プログラムの教員の皆様から多大なご支援を賜り、各国でのフィールドワークを無事に遂行することができました。また、本研究にご協力いただいた3か国のインタビュー対象者の皆様にも、心より感謝申し上げます。
今回の受賞を励みに、今後は看護教員および研究者として、教育と研究活動に一層邁進するとともに、特に関心を寄せている学校保健に関する研究を継続して進めて参ります。改めまして、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
?<小林教授からのコメント>
新型コロナ感染症パンデミック下において、実施または策定された政策をミクロネシア地域3か国間で比較研究した政策研究です。今年は5論文の応募があり、3論文はかなりの高レベルで激戦であったとのことです。本研究で使用されたケーススタディー手法は、世の中におこった事象を科学的に明らかにする手法で、国際地域保健学教室ではその方法の開発にも長年取り組んできています。なかでもマルチプルケーススタディー手法は質的研究手法のなかで最も難しいというわれるもので、渋谷氏は海外4か国の研究者とともにやり遂げました。
11月16日、17日にくくる糸満で開催された、グローバルヘルス合同大会(第39回日本国際保健医療学会?第65回日本熱帯医学会、第1回台湾グローバルヘルス学会)にて受賞式と受賞講演が行われました。日本国際保健医療学会は会員数1000名以上で構成され、日本医学会に正式に所属する学会です。