理学部の滝本大裕准教授の研究課題がJST 創発的研究支援事業の新規研究課題として採択されました。
〇研究課題:2.5次元電極触媒の開発
研究概要:
固体高分子形燃料電池は水素社会の実現に欠かせない技術です。我が国では2023 年に水素基本戦略が改訂され、高い運転負荷に耐えられる燃料電池の技術開発を進めることが最重要課題となっており、その中で、2040年に現行触媒より80 倍も高い活性目標を達成することが掲げられています。この目標達成に向けて『ナノ粒子+担体』という概念から脱却した革新的触媒の開発に取り組んできました。
金属ナノシート触媒の成果を積み重ね、二次元形状の触媒こそが理想的な触媒構造であると考え、①独自技術の2.5次元触媒開発による高活性化の技術開発、②高度解析技術による影響因子の特定に取り組むことで、現行触媒より120 倍の高活性化の実現を目指します。
なお、この2.5次元触媒が燃料電池で実利用されることで、二酸化炭素排出量が多いトラックやバスの燃料電池化に貢献できる可能性があると考えています。
また、2.5次元材料は、合成原理的に多様な元素をカバーできる可能性があり、さまざまな分野への応用?融合を期待でき、多様な研究開発のシーズになると期待しています。
JSTプレスリリース:
https://www.jst.go.jp/pr/info/info1699/index.html
2023年度新規採択課題および評価者について:
https://www.jst.go.jp/souhatsu/call/sel23.html
【参考】
〇創発的研究支援事業について
特定の課題や短期目標を設定せず、多様性と融合によって破壊的イノベーションにつながるシーズの創出を目指す「創発的研究」を推進するため、既存の枠組みにとらわれない自由で挑戦的?融合的な多様な研究を、研究者が研究に専念できる環境を確保しつつ原則7年間(途中ステージゲート審査を挟む、最大10年間)にわたり長期的に支援します。
創発的研究支援事業の概要(https://www.jst.go.jp/souhatsu/outline/index.html)