国立大学法人等は国立大学法人法により、中期目標期間の業務の実績について評価を受けることが定められています。第3期中期目標期間(6年目終了時評価)に係る業務の実績に関する評価結果について、令和5年3月23日付で、国立大学法人評価委員会より評価結果が公表されました。
評価結果は、「全体評価」及び「項目別評価」により構成され、本学は「財務内容の改善」の項目で、6段階の評定のうち、最高評価の「顕著な成果が得られている」と評価されました。
それぞれ概略は下記のとおりです。
<評価結果の概況>? | 評定区分 ※1 | ||||||
顕著な? 成果 |
上回る? 成果 |
達 成? | おおむね? 達成 |
不十分 | 重大な 改善事項 |
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教育研究等の質の向上の状況 | |||||||
①教育 | ○ | ||||||
②研究 | ○ | ||||||
③社会連携等?地域志向 | ○ | ||||||
④その他(グローバル化等) | ○ | ||||||
業務運営?財務内容等の状況 | |||||||
⑤業務運営の改善及び効率化 | ○ | ||||||
⑥財務内容の改善 | ○ | ||||||
⑦自己点検?評価及び情報提供 | ○ | ||||||
⑧その他業務運営 | ○ |
「顕著な成果」と評価された項目
○ 琉球大学基金造成計画に基づく取組と特色ある基金の創設
平成29年度に策定した「琉球大学基金造成計画」に基づき、琉球大学基金のリーフレット(和文、英文)作成及び基金ウェブサイトの充実等の取組を行うとともに、秘書?広報との連携に資するため企画調整役(課長級)の配置、学長のトップセールス等による広報活動を強化した結果、海外の沖縄県系人等多様なステークホルダーからの寄附獲得につながっている。特に、同窓生である岸本正之氏が代表を務める岸本ファミリー個人慈善基金により、地球環境保全に向けた教育?研究活動やグローバル人材育成等の支援を目的とした「琉球大学岸本基金」が米国内に創設されており、運用についても米国内のファンドによって行われている。
また、沖縄県における子どもの貧困対策として、シングルマザーの雇用?実務技能訓練機会の創出を通じて、母子家庭を支援することを目的に結転生(ゆいまーる)基金を全国大学初の取組として創設し、平成30年4月から附属病院の医療支援スタッフとして2名を採用している。
学長のトップセールス(ハワイ沖縄連合会)
「全体評価」の中では、主な特記事項として下記の取組が挙げられています。
<教育研究等の質の向上>
○ 熱帯?亜熱帯生物圏フィールドでの研究の推進
熱帯生物圏研究センターでは、公募による国内外からの共同研究事業を実施するとともに、全国共同利用?共同拠点形成経費や外国人招へい研究員事業により、国内外の研究者を招へいし、熱帯?亜熱帯生物圏フィールドを活用した研究を推進している。
○ 目的別人材育成の実施
県内企業、経済団体、高等教育機関、沖縄県、内閣府沖縄総合事務局等で構成されている沖縄産学官協働人財育成円卓会議と連携し、地域?政策人材育成、インクルーシブ教育推進人材の育成、高度専門職養成及び新たな人材育成の4分野で19件の目的別人材育成プログラムを開発?実施している。
<業務運営?財務内容等>
○ 組織の枠を超えた「首里城再興学術ネットワーク」の設立
学内外の研究者が参加する「首里城再興学術ネットワーク」を設置し、シンポジウムの開催、ポータルサイトの開設、現場視察と首里城関係者との意見交換会を実施し、首里城の再興という地域課題解決のための研究ニーズ把握に努めている。
その他に、「項目別評価」において、教育研究等については(優れた点)、(特色ある点)として下記の取組が評価されました。なお、評価において改善を指摘された事項については、現在改善に向けた取組等を適切に実施しています。
<教育研究等の質の向上>
(優れた点)
?グローバル化の促進
(特色ある点)
?アドバイザリースタッフの派遣
?新型コロナウイルス感染症下の教育
?ハラスメント再発防止プログラムの構築
?学生相談室への大学院生の配置
?高校生へのキャリア教育
?水循環と水環境の改善に向けた研究の推進
?首里城の再興への貢献
?学長リーダーシッププロジェクトの展開
?起業家育成の推進
?次世代人材の育成
?地域ニーズに応えた学習機会の提供
?浦添市の条例案の作成
?COIL型教育を通じた海外との連携強化
?寄附金を活用した人材育成
?国際的な学術連携の推進
<業務運営?財務内容等>
(優れた点)
?研究推進機構及び地域連携推進機構の組織見直しと強化施策
?事務職員の早期昇任制度の導入
?組織の枠を超えた「首里城再興学術ネットワーク」の設立
?SDGsの達成に資する活動
?環境保全対策と積極的なエネルギーマネジメントの推進
?共同利用可能な設備の有効活用の促進
以上の評価結果は、沖縄県唯一の総合大学として地域社会と連携し、豊かな未来社会の実現のために様々な取組を実施してきた成果だと受け止めております。
今後とも本学の“Land Grant University”の精神と、真理の探究、地域?国際社会への貢献、平和?共生の追求という基本理念の下、地域との共生?協働によって、「地域とともに豊かな未来社会をデザインする大学」を目指すとともに、大学の強みを発揮し、新しい学術領域である熱帯島嶼?海洋?医学研究の国際的な拠点として「アジア?太平洋地域の卓越した教育研究拠点となる大学」を目指していきたいと考えていますので、みなさまの一層のご理解ご支援をよろしくお願い申し上げます。
※1 評定区分(6段階)
中期目標を上回る顕著な成果が得られている
中期目標を上回る成果が得られている
中期目標を達成している
中期目標をおおむね達成している
中期目標の達成状況が不十分である
中期目標を達成しておらず重大な改善事項がある
【参考】
?第3期中期目標期間に係る業務の実績に関する評価結果(国立大学法人琉球大学)
?国立大学法人?大学共同利用機関法人の第3期中期目標期間(6年目終了時)の業務の実績に関する評価結果(文部科学省サイトへ)