理学部海洋自然科学科生物系の小林峻助教、東洋コウモリ研究所、北九州市立自然史?歴史博物館の研究チームが発見した、クロヒゲツームコウモリの初記録の論文が日本哺乳類学会英文誌「Mammal Study」電子版から発表されました。 <発表のポイント> |
<発表概要>
2021年11月に理学部海洋自然科学科生物系の小林助教、東洋コウモリ研究所、北九州市立自然史?歴史博物館の研究チームが、沖縄島中部に位置する琉球大学千原キャンパス内でコウモリを救護しました。小型コウモリは世界中から約1200種が知られており、このうち日本には35種、沖縄島には5種が分布しています。救護した個体について、日本および世界の小型コウモリと外部形態を比較した結果、本個体はクロヒゲツームコウモリ(Taphozous melanopogon Temminck, 1841)であることが判明しました。クロヒゲツームコウモリは熱帯アジアに広く分布していますが、台湾から日本にかけての分布記録はなく、今回の記録が日本初記録です。発見された個体については、沖縄島に定着していた個体である可能性は低いと考えられ、偶然に飛ばされてきたか物資に紛れ込んでたどり着いた可能性が高いと考えられます。小型コウモリが本来の生息地外で発見されることは時々ありますが、今回は1個体のみの記録のため、沖縄島まで辿りついた経緯などは不明です。今後詳細な調査が必要と考えられます。なお、本個体は救護後に死亡したため、骨格および仮剥製標本を作製し、現在は北九州市立自然史?歴史博物館に収蔵されています。
<論文情報> (2)??? Mammal Study (3)??? Shun Kobayashi, Kishio Maeda, Hisao Tamura, Masako Izawa (4)??? DOI番号:10.3106/ms2022-0007 (5)? ?アブストラクトURL:https://doi.org/10.3106/ms2022-0007 |