JST(国立研究開発法人科学技術振興機構)が令和2年度より開始した「共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)」の本格型に、本学の学際的チームと沖縄工業高等専門学校、水産大学校、東京海洋大学、長浜バイオ大学、福井大学、はこだて未来大学、大阪工業大学、オリオンビール株式会社、株式会社メイキット、株式会社マチス教育システム、共和化工株式会社、沖縄セルラー電話株式会社、国際協力機構、沖縄県栽培漁業センター、中城村が参画する産学官連携研究プロジェクトが採択されました。 |
1、 「共創の場形成支援プログラム」について
大学などを中心として、企業や地方自治体?市民などの多様なステークホルダーを巻き込んだ産学官共創により、国連の持続可能な開発目標(SDGs)に基づく未来のありたい社会像を拠点ビジョンとして掲げ、その実現のため具体的かつ到達可能な駆動目標(ターゲット)を設定し、この達成に向けた研究開発と産学官共創システムの構築を一体的に推進します。これにより、知識集約型社会をけん引する大学などの強みを活かし、ウィズ/ポストコロナ時代の未来のありたい社会像実現を目指す、自立的?持続的な産学官共創拠点を形成する令和2年度より開始されたプログラムです。
公募にあたっては、提案者の準備状況や現状体制等に応じた最適な提案を可能とするため、「本格型」と「育成型」の2つの実施タイプがあり、「本格型」では、拠点ビジョンに基づく研究開発課題とそれを支える産学共創システムの構築を一体的に推進する提案を募集するもので、「育成型」では、拠点ビジョン、研究開発課題及び産学共創システムの構想と、「本格型」へのステップアップを目指す計画の提案を募集するものです。
本学と合同チームのプロジェクトは令和2年度に「育成型」で採択されており、今年度は「本格型」への昇格審査を受け採択されました。
(1)本格型
実施期間:最大10年度支援
予算規模:最大3.2億円程度/年度
(2)育成型
実施期間:最大2年度支援
予算規模:2,500万円程度/年度
2、研究プロジェクトについて
プロジェクト名:「資源循環型共生社会実現に向けた農水一体型サステイナブル陸上養殖のグローバル拠点」
プロジェクトリーダー:竹村明洋(理学部 教授)
副プロジェクトリーダー:羽賀史浩(研究推進機構 上席URA)
拠点の全体管理を担う組織の代表:木暮一啓(研究推進機構長(理事?副学長))
参画機関:沖縄工業高等専門学校、水産大学校、東京海洋大学、長浜バイオ大学、福井大学、
はこだて未来大学、大阪工業大学、オリオンビール株式会社、株式会社メイキット、株式会社マチス教育システム、共和化工株式会社、沖縄セルラー電話株式会社、国際協力機構、沖縄県栽培漁業センター、中城村
プロジェクトの概要:
【関連するSDGs】
?SDG2? 飢餓をゼロに
?SDG7? エネルギーをみんなにそしてクリーンに
?SDG8? 働きがいも経済成長も
?SDG12 つくる責任つかう責任
?SDG14 海の豊かさを守ろう
【プロジェクト紹介】
拠点ビジョン(未来のありたい社会像)の内容
本プロジェクトでは、水産業から見える将来課題(人口増に伴う食糧不足、エネルギー供給の持続可能性、食品ロス?食品廃棄の弊害、担い手不足による漁業経営難)を、「食」、「エネルギー」、そして「人材」の好循環をうむ仕組みを構築することから解決します。本プロジェクトが目指している未来のありたい社会像は『世代を超えて、すべての人が、環境負荷ゼロで、食資源の確保と、経済的な自立ができる社会』です。20年後の未来には「水産業」や「農業」の垣根がなくなり、一次産業が融合した新産業が創出され、若者がそこで活躍しています。
拠点ビジョン実現の為のアプローチ
社会像を実現するためには、若者が自信と希望を持って就労できる農水一体型の資源循環型産業の構築が第一歩となります。そのために、本プロジェクトでは、3つのターゲット(「食」の効率的な循環をうみだす基盤の確立、「エネルギー」の循環をつくる基盤技術開発、「情報」の高度利用を可能とする技術開発)を設定しています。研究開発課題としては、水産生産(閉鎖循環型陸上養殖技術開発)と再生可能エネルギー(電力の効率運用)、アクアポニックスを含む農業生産、そしてこれら研究開発課題を統合運用するための情報技術研究(徹底的なスマート化)を進めます。
本プログラムでは、解決策として沖縄をベースに「食」と「エネルギー」の循環社会モデルの形成を目指す。その基本的な考え方は、個別問題の最適化ではなく、複数の問題を相互に連携し、包括的に解決する全体最適化である。主な要素技術としては、閉鎖循環型陸上養殖、再生可能エネルギー、廃棄食料の資源化等であるが、それらをデジタル技術を屈指して連携し、最適な循環社会を実現することを目標とする。本モデルは、沖縄だけでなく、亜熱帯海洋性の島嶼モデルとして、東南アジアの循環社会モデルとなることを目指す。
拠点ビジョン実現に向けた拠点の強み
拠点の強みは地理的特性や文化的背景に起因する南への志向です。アジア?太平洋へのゲートウェイとしての役割を最大限に活用し、海外に開かれた研究や教育の積み重ねによる人材育成システムと東南アジア諸国や島嶼諸国等を含む多くの国々に強固な人的ネットワークが確立しています。
【プロジェクト図】
<参考>
※JSTプレスリリースURL:
https://www.jst.go.jp/pf/platform/
https://www.jst.go.jp/pf/platform/file/r3_shoukakushinsa_saitaku.pdf