~2020年、琉球大学は開学70周年を迎えます。~
Island wisdom, for the world, for the future.
令和2年6月1日
琉球大学長 西田 睦
琉球大学の学生の皆さん、今年度の前学期開始以降、遠隔授業のみの期間が続いてきましたが、どのようにお過ごしでしょうか。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)はわずかな期間に世界中に広がり、社会システムや人々の日々の生活に深刻な影響を与えています。この未曾有の事態を受け、琉球大学は沖縄県や国の動きと同調しながら、構成員の命と健康を守りつつ、学生の皆さんの学びを少しでも多く実現しようと取り組んできました。遠隔での授業や修学指導を実施し、心がけるべき行動様式をお伝えするなどして感染拡大を防止しつつ、令和2年度前学期に対応してきました。皆さんのご理解とご協力に深く感謝します。
こうした中で、皆さんが学内で授業を受けられないため、一生の付き合いとなる級友たちや師との語らいの機会がほとんどなくなっていることを、たいへん残念に思っています。とりわけ新入生の皆さんには、入学式を行うことができないままに入校制限や遠隔講義などを受け入れていただかざるを得なかったことに心が痛みます。遠隔授業において出される課題に取り組んだり、普段は読めなかった本を読むなど、それぞれに工夫をして、日々をうまく過ごしておられることを願っています。
また、アルバイトができなくなったり、家族の方々の生計が急変して、経済的に困難をきたしている学生が増えてきていることも承知しています。そうした皆さんが安心して学業に励むことができるよう、公的な、また本学独自のリソースによるさまざまな学生支援制度*1を用意しています。さらに、いくつかの新たな支援事業の準備も進めています。困っている学生に必要なものを提供するという趣旨で、様々なニーズに対応できるようにすることを考えています。手助けが必要な皆さんには、こうした趣旨をご理解いただき、遠慮することなく各種学生支援制度を活用いただけたらと思います。私も学生の皆さんの学びが継続できるよう、支援の拡充に向けてさらに尽力したいと思います。
上段で本学独自のリソースと述べましたが、これは地域社会の方々や企業?団体、琉球大学同窓会に属する方々、そして教職員などの本学関係者の貴重なご厚志の賜物です。沖縄の先人が培い、現在にまで根ざしている「ゆいまーる」精神の発露だと思います。ここにご厚志に心からお礼申し上げるとともに、学生の皆さんには、支援を活用しながら、その精神を体得していただければと願います。
このところ、COVID-19は県内および国内では下火になってきており、本学ではその状況を注意深く見ながら、本日6月1日から活動制限レベルを1段階下げることとしました。ただ、新たな感染者が再び増えている地域もあり、また世界に目を向けると、COVID-19はまだまだ拡大をしていて、第2波がやってくる可能性も十分あり、決して油断はできません。学生の皆さん、新たな制限レベルで許容された条件を活かしつつも、厚生労働省の示す「新しい生活様式*2」や本学の「新型コロナウイルス感染症に関する注意事項*3」などに沿って、引き続き感染予防と拡大防止に努めてくださるようお願いします。
*1 琉球大学における新型コロナウイルス感染症の影響を被る学生への緊急支援制度一覧
*2 厚生労働省「新しい生活様式」
*3 琉球大学「新型コロナウイルス感染症に関する注意事項」(注:最新の注意事項へリンクしています)
<新型コロナウイルス感染症に関するこれまでの学長メッセージ>
?新年度を迎えるにあたっての学長からのメッセージ ~新型コロナウイルスに打ち勝とう~ (2020年4月1日掲載)