工学部工学科では、2月17日(水)と18日(木)の2日間にわたり、新しく春季集中講義として「International civil and environmental engineering seminar」という講義を実施しました。受講学生は工学科1年次から3年次の24名でした。
本講義では、授業のサポート役の留学生が話題提供として、自国の社会基盤や環境等の問題について説明します。その後、グループ毎に英語で留学生にインタビューをし、ディスカッションしながら解決策を検討し、最終的にグループ毎に英語で解決策のプレゼンテーションを行います。これらの取り組みをとおして学生に英語コミュニケーションの魅力を実感してもらい、また、今後のさらなる英語学習や、国際問題に関心を持ってもらう動機づけを狙っています。
なお、この講義では日本語での意思疎通を控え、近年目覚ましい進展を遂げている翻訳アプリを使用しました。これにより、必ずしも英語が得意ではない学生も含めて全員が、専門分野について英語でコミュニケーションする新しいタイプの授業が実現しました。
今回のサポート役の留学生は4名で、フィリピンの学生が1名、アフガニスタンの学生が2名、キルギスの学生が1名でした。このうち、3名の留学生から議論のための課題を一つずつ挙げてもらいました。
課題1.アフガニスタンのヘラートのオールドシティーを対象に、観光資源となる古い建築物を維持しながらいかに近代化を図るか(アフガニスタンの学生から)
課題2.貧困などが大きな問題となっているアフガニスタンで教育をいかに充実していくか(アフガニスタンの別の学生から)
課題3.山岳地帯の多いキルギスにおいて、土砂災害が頻繁に生じる中でいかに道路を安全に利用していくか(キルギスの学生から)
初めは、英語で話すことにまだ抵抗のある学生が多かったようで、第1回目の留学生による課題説明時には、質問はほぼ出ませんでした。しかし、学生は、その後の留学生へのインタビューやディスカッションを通じて、徐々に英語で話すことに慣れていきました。受講生による第1回目のプレゼン時には、英語で質問も出るようになり、また、「Hi, guys」と言いながら積極的に自然に英語を話そうとする学生も出てきました。質疑の際にはわからない単語も多く、四苦八苦する場面もありましたが、翻訳アプリを使いながらなんとか英語で議論を継続することができました。
2日間という短い期間でしたが、学生の英語に対する意識が大きく変化している様子が感じられました。
アンケート結果は高評価が多く、本授業は、学生の英語コミュニケーションの魅力の実感に着実につながったようでした。
<本授業のアンケートのコメント>
?グループワークを深く考えて、意見を英語でプレゼンするという貴重な経験ができたので良かったなと思いました。
?時間が限られていて余裕がなかったのは大変でしたが、とても楽しかったです。集中講義だけでなく普通の授業でもやってほしいです。
?思った以上に言葉が出ず、話すのにとても苦労しました。しかし、このクラスで英語の楽しさを少し実感できました。このクラスに参加してくださった皆さんありがとうございました(原文英語を翻訳)。
留学生の課題説明に対して質問する学生
グループディスカッションの様子
受講生によるプレゼンテーションの様子